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戦争に負けた国 ―――――――― by やせ我慢さん
☆ 現実を見ない理想主義が悲劇を生む ――――――― 2009/01/26
神聖ローマ帝国の皇后(実質は女帝)にして、オーストリア女大公であり、ハン
ガリーとボヘミアの女王であったマリア・テレジアはヤキモチ焼きで有名だっ
たそうです――――。

そのせいか彼女は、正当でない男女の関係=夫婦による子作りの為の行為以外
のすべて)を憎み、それを一掃するとこと決心しました。

ーーーそうして生まれたのが「純潔委員会」と呼ばれた恐怖組織です。

首都ウィーンでは、売春婦は頭を刈られ土方人夫にされ、客である男たちは、
独身なら相手の売春婦と強制結婚、既婚なら姦通罪で逮捕されます。

普通の男女でも、正式な夫婦でないものが不適切な関係を持てば鞭打ちの刑、
と、力によって風紀の乱れを正そうとしたのです。

〜〜〜その結果はどうだったでしょう?

事態は何も変わらないどころか、より悪化したのです。

売春婦は家政婦と偽り一向に減らず、堕胎や子殺しという犯罪だけが一気に増
えました。

さらには、罪を逃れる為に委員の買収が横行し、風紀だけでなく社会道徳まで
地に堕ちてしまいました。

ーーー同じような失敗をしたのが、イギリスのヴィクトリア女王です。

彼女も、宮廷から離婚歴のある官吏や貴族を締め出すほど性道徳に厳しい人で
あり、強権を以って風紀を正そうとしましたが、結局はマリア・テレジアと同
じ結果を招いています。

エビータの名で知られるアルゼンチンのエバ・ペロンも、貧困救済という希望
を掲げたものの、その行動は無軌道な政策となり、国の経済を疲弊させていま
す。

ーーーダラダラと歴史の話を書いたのは、理想を目指すことは大事だが、現実
を見ずに性急に実現しようとする事の危険性を過去の例から学ぶべきだと思う
からです。

現在「交通事故死ゼロ」から「人権・平等」「世界平和・核廃絶」まで、それ
ぞれの人々や団体が掲げるいくつかの理想があります。

交通事故死などに関しては、なぜそれが起きるのかを、車体・人間・気象など
具体的な要素が研究されています。

しかし、人権や平和などを声高に言う団体や政党は、人権問題や戦争・安全保
障の実態を具体的に研究しようとしません。つまり、実態と原因、そしてそれ
を改善する段階的な方法論を真剣に考えず、ただ人権や平和が大事だと叫ぶだ
けなのです。

ーーーこうした人たちが力を持つと、18世紀のウィーンに恐怖と腐敗を生ん
だ「純潔委員会」が再現される気がしてなりません。

そこまで過去の話ではなくても、理想という錦の御旗を掲げて暴力と虐殺が吹
き荒れた国が近くにありますし――――。

ーーー上記のようなやり方と違って、逆に成功した例を、日本による台湾統治
に見ることができます。

第四代台湾総督となった児玉源太郎が右腕とした、後藤新平によるアヘン中毒
者の撲滅事業です。

当時、小さな島の至るところにアヘン窟があり、中毒者は約17万人もいる状
況に清国も手を焼いていました。日本による統治後もそれは変わらず、厳しい
取締りと罰則や追放で一掃せよという声も多かったようです。

アヘンの習慣が、台湾で暮らす日本人を通じて日本国内に広まっては一大事で
すし、台湾の経済からも悪弊を無くす必要がありました。

しかし後藤は、厳禁という姿勢ではなく段階を踏んだ消滅策を選びました。

┌--------「国際派日本人養成講座より引用」

まず中毒にかかっている者だけに免許を与え、特許店舗でのみ吸引を認める。
新たな吸引者は絶対に認めない。

アヘンは政府の専売とし、その収入を台湾における各種衛生事業施設の資金に
充当する。

アヘンを政府の専売とする、という破天荒なアイデアであったが、後藤の読み
通り、大きな混乱もなしにアヘン中毒患者は次第に漸減して、日本敗戦時には
皆無となっていた。

└-------- http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h12/jog145.html 

アヘン中毒は厳罰ではなくならない強い中毒だ、と現実を理解した上で、新た
な中毒者を徹底して予防し、専売によって不法集団の関与を排除した訳です。

そして、約40年という時間をかけて、大きな犠牲も出さずに台湾からアヘン
を一掃しました。

先に挙げた「純潔委員会」などの例と較べてみれば、その違いは明らかです。

人類最古の職業である売春、そして性欲という本能の現実をみずに、性急な風
紀粛清を求めて彼女達は失敗しました。

平和や人権などといった錦の御旗が振られ、公に反論しようものならメディア
によって袋叩きされそうな今の日本では、後藤新平のようなやり方は、決して
承認されないでしょう。

アヘンの撲滅が目的のはずなのに、「国が専売したり特定のアヘン窟を認める
なんてとんでもない!」という批難が渦巻き、一蹴されるのがオチでしょう。

そして、事態は何も改善されないどころか、より悪化し、他の問題まで引き起
こすという混乱を生むといった展開になりそうな気がします。

ーーー現実を見ない理想主義、性急な理想主義、

それは分かり易く耳障りの良いものです。

逆に、現実を基にした長いスパンの具体策は判りにくく、曖昧に思えたり納得
いかないものだったりするでしょう。しかし、

私たちは、過去の多くの例から、本当の知恵とは何か、を学ぶべきではないの
でしょうか。

                           = おわり =
この記事はブログ「読書ノート」に転載して頂きました。ーーー愛国的正論を採りあげている真面目なブログです。是非お訪ねになられてみて下さい。←新しいウインドウで開きます。
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┌──────────「尊野ジョーイさん」 ┌-------- ーーー現実を見ない理想主義、性急な理想主義、 └-------- 矛盾するようだが 激烈なる変化を求めるあまり、そうさ、死んでしまう人が いる。無駄死にさ、やめたほうがいい。 (エレファントカシマシ「So many people」) 早急な変化は混乱しか招かないということですね。 その代表例があのフランス革命です。(自国民の虐殺数200万人)
└────────── ┌──────────「やせ我慢さんから」
う〜ん、一概にそうであるとばかりも言えない事例もありますが、要するに、 事実を見ない方法での変化が危険なのだと思います。 └────────── ┌──────────「hyu さん」 ーーー前から気になってましたので・・・ 耳障り=聞いてうるさく感じること、「障」は障害、支障の障。 「耳触りのいい」あるいは「耳あたりのいい」「耳に心地いい」など。
└────────── ┌──────────「やせ我慢さんから」
いつか、誰かに指摘されるだろうと思っていました。^^) 使い勝手が良いというか、便利なのでつい使ってしまいます。 └────────── ┌──────────「中島茂忠さん」 ーーー是非ともパレスチナ問題にこの視点を適用して欲しいものです。 現在のイスラエルのやり方は、二人の女帝が採った方法と全く同じものですか ら、問題がコジレるのは明白です。又、パレスチナ側も、テロリズムに訴えざ るを得ない心情は理解できても、それでは結果は同様。 これ以外に、本当に解決方法はないのは明らかということを理解すべきです。
└────────── ┌──────────「やせ我慢さんから」
あの問題は、庶民は別にして、当事者たちも関わりのある国々も、本当の解決 を望んでいないのだろうと思います。 和平や停戦が結ばれる度に、それをぶち壊す人間が必ず現れるなんて、偶然だ とは思えません。 └────────── ┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ ▽  この記事はブログ「戦争に負けた国」より転載させていただきました。
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