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わたしの主張:賛否何論可希望討論
☆ 株屋はなぜあやしいと思われるのか ――――――― 2009/03/27
                        by 故郷求めてさん

麻生総理の“舌禍事件”に対して、多くのブロガーさんは産経新聞の取り上げ
方に疑義を呈し、または愚かな言葉狩りだと憤慨されているようです。

総理の発言の意図は「どうして日本人は貯蓄が好きで、投資をしないのか」と
いう設問に対する、普通の庶民感覚に基づいた答えです。べつに、聞いていて
違和感のある言葉ではないでしょう。

なぜ日本では預金は善=投資は悪、となるのかは、単純な理由だと思います。

それは、投資と配当という、株式市場を健全に運営するための根本原則が確立
していないからなのです。

日本の株式は、おそらく先進国の中でもっとも配当が少ないんだと思います。
一部上場企業にまで「会社は株主のものではない」とする思想が蔓延している
我が国では、利益はほんらい株主に配当すべきであるという根本原則が身に付
いていないのでしょう。

ではそんな日本で、株式は何のために買うのか?それは、売買の差額を手にす
るため、ということになってしまいます。

どの国でも、株式市場を賭場と思っている投資家はたくさんいるはずですし、
大きな金額を張る相場師は、市場が存在する限り、絶対に存在するものでしょ
う。信用売り・信用買いなどはその最たるものです。

しかし、株式が短期に上げ下げしても、配当がしっかりもらえるならば、企業
に投資する意志のある人は「安い時に買い、高い時に売れば儲かる」という発
想で株を買うことはないでしょう。

投資とは、配当のためにするものです。そして投資家から資金を集めて事業を
行う以上、つまり株式会社である以上、最終的な儲けはすべて配当に回される
べきなのです。

その原則が日本に定着しない限り、株式をやっている人は他人を出し抜いてで
も儲けたい人種であり、株屋とは、顧客を騙してでも儲けたい人である、とい
うことになりかねないのです。

産経新聞ともあろうものが、麻生総理の発言の裏を読み、市場経済の大原則に
立ち還って日本の社会の悪弊に踏み込むことができなかったのは、非常に残念
であると思います。

―― 相場師と投資家の違い

株式を売買する人を、相場師と投資家の2つに分類してみます。

相場師とは、株価の値上がりと値下がりを利用して儲けようとする人のことで
す。相場師は、周囲の環境と、個々の企業の業績を照らし合わせて、自分の相
場観に基づいてあるべき株価をはじき出し、現状の株価がそれに対して高いと
思えば売り、安いと思えば買います。

例えば、いまは景気が悪く、欧米の投資家も活発ではない。それなのに、東証
1部のA社は何年も前から5000円の株価を維持している。A社にはこれと
いった新製品もなく、売上も増やしていない。だったらA社の株は4000円
ぐらいまで落ち込むはずだから「A社の株は売り」。

そう判断した相場師は、5000円のA社株を売りに出します。相場師の見込
みが当たって、4000円まで落ち込めば、その株を買い戻します。これで、
相場師は1株当り1000円の儲けを出すわけです。

株式が現実離れした高い価格である時、相場師の行なう空売りは、株価を正常
化するために必要なのです。

市場に相場師がいると、株式は「あるべき価格」に向かって、常に修正されま
す。そのかわり、相場師の力が大きすぎると、「あるべき価格」からかけ離れ
た株価が人為的に作り出されてしまいます。

一方の投資家は、相場師とは全く違う買い方をします。

投資家は、将来有望だが資金不足だろうと思われる企業・事業にお金を出しま
す。株式を買うのも、その企業が利益を上げることに期待しているからです。

ですから、基本的に投資家は「買い」しかしません。「売り」は、他の企業に
乗り換える時か、経営方針に抗議する時だけにすることです。

投資とて慈善事業ではありません。それどころか、明確な利益追求行為です。
投資家は、企業からの配当が目当てなのです。配当の利益率が銀行金利よりも
低ければ、株式を買わずに銀行に預けるでしょう。

さて、相場師と投資家は、自分の儲け方について、全く逆の発想をします。

相場師は、自分が儲けるためにその他大勢を犠牲にします。ゼロ・サムゲーム
をしているからです。ゼロ・サムゲームとは、勝ち負けを合計するとゼロにな
る、というゲームの形態です。

つまり、相場師がたくさん儲けるためには、反対になるべく沢山の人が、沢山
の損を出す必要があります。

投資家は、投資先が健全に利益をあげられるよう、企業を支援するし、株主同
士で協力もします。投資家が儲かるためには、企業はなるべく儲かるほうが良
いし、その他大勢の投資家と同じ利益を分け合います。黒字なら共に儲かり、
赤字なら共に損をするという運命共同体です。

相場師は株価の乱高下を好みますが、投資家は株価の安定を望むでしょう。

その意味でも、相場師と投資家は、考え方が逆です。

こうして考えてみると、日本の株式会社は配当が低いから、投資家不在となる
のです。その結果、株式市場は相場師の独壇場となります。池田信夫氏のブロ
グで、法人税を撤廃せよと訴えている理由は、儲けを国に献上するより株主に
配当するほうが、投資家が育ち、市場が健全化するということだと思います。

株式投資をすることが、他人の損失を当てにして儲けることと考えるか、将来
性を見込んで事業を育てることと考えるか、その違いこそ、株を買うことが善
か悪か、という分岐点になるのではないでしょうか。

                           = おわり =
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┌──────────「SPさん」 日本株は長期下落トレンド。これは事実。このような株に配当目当てで買って も、株価下落で損する確率が高い。となれば、 あえて株をやるなら、株価の上下でとるしかないのが、実際のところ。べき論 や法人税撤廃など、現実性がほぼゼロの話を聞いても空しいだけ。
└────────── ┌──────────「故郷求めてさんから」
株式保有による実利をどうこう言っているわけではありませんので、現実がご 指摘通りであったとしても、議論は平行線になると思います。 私は、「株をやっている人は信用されない」というのが、倫理観とか道徳の問 題ではなくて、制度の問題だと言いたいのです。その点についてのご批判を戴 きたかったと思います。 └────────── ┌──────────「JTさん」 ーーー相場師と投資家の説明について違和感を覚えました。 投資家とは、機関投資家の事を言っておられるのか、個人投資家も含んでおら れるのか分かりませんが、相場師は目先の利益で動き、投資家は企業を応援す る的な事を書かれていますが、株の売買目的は資産形成にしろギャンブルにし ろ、誰もが利益を上げる事が目標だと思います。 投資家でも、短期売買で利益を追求したり、財源があれば株価操作もしている (人もいる)と思いますし、相場師と呼ばれている人にも、底値で大量に買い、 長期保有し、高値で売るタイプの人もいると思います。 相場師はゼロ・サムゲームをしているという表現も、株は株式市場内のお金を やり取りして成り立っているので、買いがなければ売れず、売りがなければ買 えない。 株式市場が右肩上がりで拡大していかない限り、みんなが儲かるという事はあ りえないですし、誰かの儲けは誰かの損というのがゼロ・サムゲームという事 なので、相場師がしているのがゼロ・サムゲームだとか、相場師のせいでゼロ ・サムゲームになるという事ではなく、 株式市場の仕組みがゼロ・サムゲームなので、相場師のせいでとかではなく、 株売買をしている全ての人間がゼロ・サムゲームをしているのだと思います。 今回の場合は、相場師と投資家というのではなくて、ギャンブル的な投資や、 短期売買を繰り返す投資スタイルと、長期保有タイプの投資スタイルとの違い の説明のような気がします。 そもそも、日本では、預金は善=投資は悪と思われているのはなぜか、という 理由の説明の為に、上記の件や株を買う事の善悪について書かれておられます が、(会社は誰のものや、配当の件にも異論はありますが) 日本人の多くが「預金は善・投資は悪」と思っている原因は、そう教育されて きた、或いは教育されてこなかった事が原因だと思います。 実際問題として、人間生きていく為にはお金が必要ですが、子供の頃からお金 についての必要な教育は行われず、逆に、真っ当な仕事で汗水垂らして稼いだ お金は善、楽して儲けたお金は悪というような道徳?教育が行われてきて、 お金の事を考えるのは恥ずかしい事、楽してお金を儲ける事は悪い事等の考え が定着し、お金の事がタブー化してきていたからだと思います。 その為に、株式投資をはじめ、利益を求める行動自体が恥ずべき事だと思われ ている事のあらわれだと考えます。 ーーー長文で申し訳ございません。
└────────── ┌──────────「故郷求めてさんから」
投資家と相場師の分類については、短期・長期の分類とほぼ同じと見ていいの ではないでしょうか?なぜ私の分類がおかしいのか、コメントを読む限り理解 できません。 違和感があるとすれば以下のことかと思いますので、述べておきます。 ┌-------- 少なくとも上場企業は株主のものです。だからといって、株主が個別の経営判 断に介入すべきだとは思いません。それは、背広組や官邸が「シビリアンコン トロール」の名の下に、制服組の自衛官が行なう教育や訓練に介入してはなら ないのと同じ事です。 ですが株式会社は株主のものです。自衛隊が国民のものであるのと同じです。 └-------- └────────── ┌──────────「さぶろうさん」 私は素人なので十分な知識がなく、従って記事の評価ができず、結果として賛 成も反対もできませんでした。しかしながら「相場師」と「投資家」に分けた 分析と解説は大変判りやすいものでした。 アンケートに、「判り易い」とか「ご教授ありがとうございました」という項 目があれば、そこに投票してたことと思います。 父は、勤めていた(日本の)会社の株を少しだけ持っているのですが、年に3% 程度のの配当があるので、貯金よりも良いと言っています。これは投資家?と しての観点なのでしょうね。----会社が潰れれば全部なくなりますが---- ただ、経済活動を「善」と「悪」で評価することはスジが悪いような気がしま す。最後の1文がそのような価値基準に読めます。 投資家にしろ相場師にしろ、なんらかの利益を求めての行動でしょうから、本 質的に善悪とは別の行動原理があると思われます。 素人の私が株屋を「あやしい」と思う理由は、何も生産せずに利益のみを得て いるように思われるからです。 ーーー本当にそのとおりなら、泥棒や詐欺師と同類項になります。 ただ、経済のカラクリから見ると、投資家は発展のブースターになっているよ うです。しくじってあらぬ方向に飛んでゆくこともあるのですが、それはとも かく、お金の無い人(会社)にお金を供給して、新しい技術発展の後押しをして います。 この意味でなら、株屋(投資家)は、価値の生産に一役買っています。ただし、 主役ではないので、投資家だけでは社会は発展しません。
└────────── ┌──────────「故郷求めてさんから」
おっしゃること良く分かります。私も実は素人ですから。 株屋=証券会社とするならば、現実には詐欺師まがいのことをしていると思い ます。株式市場が健全な投資の場であれば、株屋は情報のやり取りをする程度 の事務員になるはずです。プレーヤーとして存在してはならないはずです。 投資家は主役ではない、それは正しいご意見だと思います。 └────────── ┌──────────「やすおさん」 投資とは、配当のためにするものです。そして、投資家から資金を集めて事業 を行う以上、つまり株式会社である以上、最終的な儲けはすべて配当に回され るべきなのです。ーーーあまりにも単純化された暴論です。 会社が継続し成長することにより会社の価値が上がり、論理的な株価が上昇す ることも株主に報いることだと考えています。そのために、利益は内部留保や 研究開発や設備投資にまわし、継続して安定した配当を行うことが経営者の責 務と思います。
└────────── ┌──────────「故郷求めてさんから」
まったくもってその通りです。そうしたものをすべて確保したあとで出てくる のが私の言う「最終的な儲け」なのですが、その辺に立ち入ると議論が煩雑に なりますので、あえて触れませんでした。 単純化したつもりですが「暴論」でしょうか?ーーーまあ、その辺は読者のご 判断に任せたいと思います。 └────────── ┌──────────「たろおじさん」 麻生首相の株屋発言の特徴は、庶民の株をする人に対する代表的な意見を、解 りやすく表現したところにあると思います。問題があるとすれば、まさにその ところで、 宰相の発言としては少し物足りない感じがします。個人的な感想としては、首 相らしく、あるべき方向にリードするような発言であってほしいんです。 なお、投資と投機については、矢口新さんによれば、(^-^; 市場といわれるものの基本的な機能は、「価格をつける」ところにあります。 投機家の投ずる豊富かつ常時の俊敏なる売買と流動性がないとどうなるかとい えば、市場は実需と実供給の間で大乱高下することになるのだそうです。 だから、基本的にはほっとくしかないようですよ。 相場屋さんの頑張りが、本質的にギャンブルなので、あまり好感をもって迎え られないのもやむなしですし、そうした部分が必要なのが世の中というものら しいです。 儲かっている時には、株を持っていて良かったとなるし、下がると嫌になって しまうのも人間らしくて良いのではないですか? ーーーなにしろ自己責任でやる世界です。 株屋さんがお勧めする銘柄は、株屋が儲けるためにお勧めするので、相手のた めにお勧めするわけではありません。このあたりが首相の発言にも影響してい るかもしれません。
└────────── ┌──────────「故郷求めてさんから」
ご意見にはほとんど異論はありません。ただ、もう少し投資家に有利な環境を 作るほうがいいと思います。それには、政府が積極的に乗り出すのではなく、 逆に(法人税を含めて)規制を緩和するほうに向かうべきだと考えます。 なお、麻生総理の発言は、例によって一部を切り取られたもののようですね。 「貯蓄から投資へ」と向かないのはなぜなのか、そこにあるハードルを指摘し たようです。だったらその根本的な原因を議論すべきだと私は思ったんです。 └──────────
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