覗き見中国社会の底辺
☆ 明日会更好を目指す爽やかな若者 ―――――――― 2004/07/18
                          by HAJIMEさん

ニイハオ!!
オフ会があるんだからちょっとおめかししなくっちゃと、とれかかったパーマ
をかけ直す。(日本で去年あたりから流行っている縦まきウエーブのパーマ)

去年、開発区で「WITH」持って行ったら、思いっきり懐かしのパーマお釜
をかぶせられ、出来上がったらバリバリ普通のソバージュだった。まあ、開発
区だからしょうがねえやなあ。でも値段だけは500元もとられたんだよね。

どうも中国ではパーマは贅沢品みたいで、カットだけならよっぽど高いところ
でも50元しないというのに(+シャンプー付)、なぜかパーマだけは日本と変
わらん値段。だから街で見てごらんなさい、工場のワーカーさんでパーマして
る子なんていませんよ。

金だけ日本並みにとられて、懐かしのお釜かぶせられてはたまらんので、以降
は香港でパーマ。宇宙ステーションみたいな輪っかに、いっぱい電気コードが
ぶら下がってる縦まきウエーブ用メカを見る。ーーーそうだよねえ、お釜でで
きるわけないんだよね、最新スタイルがさ。

で、水囲村でこの宇宙ステーションを見かけたので、香港に行く手間を省くた
め、恐る恐る行ってみた。ーーーでもすでに夜8時半。日本だったらこの時間
にパーマなんて言ったらびっしゃり断られるところですが....熱烈大歓迎!?

『大丈夫ですよ、今から始めても11時には終わりますから』

開発区といい経済特区といい、妖しいところも正当なところも、およそ床屋と
いうところは、どえらい遅い時間に見ても、いつもネオンぎらぎらで営業して
いて、確かめたことはないが、いったい何時までやってるのか?と、出された
カットカタログ----お約束日本のノンノやWITHやMOREのそのまんま無
断転載でみっちり集めてできている----を見ながら、これは、激務の気配??

開発区も経済特区も、床屋美容院はみんな型が決まりに決まっていて、いわゆ
る理髪師先生は絶対に若いおにーちゃんで、金髪、茶髪、入れ墨、ピアスいっ
ぱい、パンクファッション。ーーー女性の理髪師はめったに見かけない。

店にニョロニョロ谷みたいに溢れている、そろいのジャージの20歳前後の娘
どもは「洗頭小姐」で、洗髪と按摩専用&理髪アシスタント。なんでか絶対こ
のパターンである。ーーー中華人民共和国憲法でそう決まっているのだな?

で、HAJIMEさんはおばさんだか ら、こういうイカシタお兄ちゃ んにかしづかれるのは嫌いじゃ ない。 本日はお店で一番派手な全金髪 のおにーちゃんだ。――――→ よっしゃ!取材したれ〜! 床屋の前に金髪若者集うの図 床屋ピン〜いくらなんだろう? 床屋ピン+2、カット15元 床屋ピン+2ぐらい?空調あり 「君たちみたいな最先端のオシャレな若者は、やっぱり仕事が終わったらディ スコやナイトクラブに繰り込んで遊んだりするんでしょう?」 『いえいえ、僕ら仕事終わるの夜中の2時なんですよ。それに、365日全然 休まないから、疲れますからね。そういうところはほとんど行きませんよ。た ま〜に早番のときに行くぐらい。でも、ああいうところは高いですから、僕ら じゃ、しょっちゅうなんて行ったらお金がなくなってしまいますよ』 「へえ、そうか、前々からずっと怪しいと思ってたんだ、こういう床屋、いつ 見ても営業してて、休んでる様子がないからさ。じゃあ、ほんとに全然休みが ないの?」 『基本的に休みなしで毎日働きますよ。たまに休みを取るときもありますが』 「はああ、いやあ、今までずっと君らみたいな金髪若者って、さぞや毎晩ディ スコで騒いで楽しんでるんだろう、と勝手に想像してたんだけどねえ。出勤時 間はどんな感じなの?」 『遅番なら午後2時から夜中の2時までです』 「ええ?12時間労働?毎日?」 『それどころか、しょっちゅう残業ですよ。よく12時過ぎなんかに来るお客 が、パーマからカラーリングまでしろって感じで3時になったり。いつだった か、朝7時にお馴染みのお客さんに電話で叩き起こされて、急ぎでカットセッ トをしてそのまま働いて、夜まで働いて、そしたら夜中2時に違うお客が時間 のかかる注文で朝の5時までかかって22時間労働、ってのがありましたね』 「22時間労働??大丈夫なの身体??」 『仕事ですからしょうがないですよ』 「日本の美容師さんっていったら、私の知ってる美容師さんなんかはやっぱり 芸術家だからね、新しいカルチャーを吸収する、感性を磨くためにしょっちゅ うクラブに行ったり、ライブに行ったりしてたけど、君らそんな暮らしでどう やって芸術的感性を磨くの?仕事柄必要でしょうやっぱり。仕事ばっかりじゃ あ、新しいファッションとか掴めないでしょう?」 『やっぱり日本はいいですねえ。僕は日本ってとっても素晴らしい国だといつ も憧れているんですよ。日本の社会とか、人間の思想とか、文化とか、素晴ら しいですよね〜』 「イヤ…その…そうとばっかりはいえないんだがねえ」----ここでHAJIMEさん 日本の若者がいかに駄目か10分ほど中国語で演説。ーーー頭にコードつなが れつつ。 「・・というわけで、君らみたいな一生懸命働いて自活する中国の若者こそ素 晴らしいのだよ。ハア、ハア(肩で息しつつ)」 『そうかなあ、でも僕は、そういう日本の若者の恵まれた環境がやっぱりうら やましいです』 「君は兄弟はいるの?」 『(笑いながらテレながら)姉が3人…』 「え?君いくつよ?」 『23歳(注:中国の23歳は、日本の22歳です)です』 「じゃあ計画生育始まってるはずじゃない?なんでそんないっぱい?」 『農村はそんなに厳しくないんですよ。どうとでも誤魔化せるんです。都市部 はいけませんけど』 「じゃあ、君は一家の唯一の男の子、宝物じゃないか。でも、君がこうやって 出稼ぎに出てきちゃったら、ご両親の面倒は誰がみるの?」 『まだそんなに年寄りではないですし、自分で自分の面倒をみるんです』 「ええと、じゃああれかな、君の給料からは毎月医療保険とか老後年金なんか の社会保障は引かれてるの?」 『そんなものありませんよ』 「え?じゃあ病気になったら病院代はどうするの?全額払うの?」 『そうですよ。そんなもんですよ』 「ええ〜?でも私ね、会社でそういう法律翻訳したから知ってるけどね。中国 いや中国とはいわん、少なくとも広東省、シンセンにはちゃんとそういう法律 あるよ。うちの会社の中国スタッフ全部そういう社会保障受けてるよ。法律ど おりだよ」 『それは、、そういう国営企業とか大企業はそうかもしれないけど、うちみた いな私企業はみんなそんなことしてないですよ』 「いやあのね、うちは別に国営企業じゃないけど、、私企業よ。それに大企業 でもないんだけど」 『でも、このへんのこういう個人営業のお店なんてみんなこんなです。そうい うもんなんです』 「そういうもんなの??」 ―― いやあ、あの法律条例読んだとき、えらい中国を見直したんだが。 日本の労働基準法と全然変らんぐらいちゃんとしてて、というか社会主義だけ あって日本よりある意味労働者優遇な印象を受けて感動していたのだが....。 ーーーそうか、法律があってもダダモレなのか。そういうもんなのか。 しかし、中国の病院代って実はけっして安くないんですよ。もし全額負担なら 彼らの給料からいったらはっきり高いですよ。社会主義なんだろ?ーーーって ・・・つっこんでみても空しいが・・・・ このにいちゃん、凌[リン]クンというのだそうですが、よく働く、細かくよく 気がつく、いい若者でした。開発区の床屋さんはシャンプーもカットもけっこ う雑、荒っぽいんですが、まあ安いんだからしょうがねえ、といつも大目にみ てやってます。ーーーしかしリン君は、すでに10時半過ぎているのに全然疲 れた顔もせず、全然手を抜かず、いやそうな顔もせず、じつに丁寧にやってく れました。 この美容院、以前レポートした生活マーケットがある住民区にあり、マーケッ トが11時になっても人だらけですから、当然11時になってもガンガン客が 入ってきて、シャンプー台に待ちができたり、カット待ちの客の座るところも ない状態。 11時ですよ。11時にシャンプーしに来るっていうのは??帰って自分で洗 えよ!!と私なんか思ってしまうんですが。当然リン君も私以外に2人ぐらい 客をかけもちで、くるくる回りながら一人一人のお客にニコニコ気をつかって 素晴らしい。 もうすぐ11時という時、住民区住人風、いかにも成金的夫婦がガキを3人も 連れて入ってきて、なんとガキまでシャンプーさせていたのには驚いた。美容 院にしてみたらまことにありがたいお客なんだろうけど――――。 日本のお金にしたらこういうとこのシャンプー代は確かにすごい安くて、他人 に洗ってもらってこの値段!?毎日来ようかしら?という感じではあるが、ガ キの頭を金だして外で洗うというのは――――。日本の美容院とは明らかに違 う。洗っているほうと洗われているほうに確かな階級差が存在してるのを、あ まりに分かりやすくみせられました。 〜〜さて肝心のパーマの出来上がりは?〜〜やっぱり香港とは違うなあ、とい う感じでした。でもリン君がほんとに一生懸命やってくれたので、480元は ぜんぜん惜しくありませんでした。(香港では600〜1000元ぐらい) 工場の子とちがって、見かけが派手なので誤解してましたが、彼らもまた激務 の中に「明日会更好(明日はもっとよくなるだろう)」を目指す、爽やかな若者 でした――――。                         = この話おわり = ┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励、ご意見などをお待ちしています。
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